電子カルテというとやはり病棟について語られることが多く、多くの資料も病棟のものばかりでした。
透析施設用の電子カルテのメーカーサイトも多数あるのですが、そういうサイトに具体的な価格は記載してありませんでした。
それもそのはず、価格はその透析施設の規模や必要とする機能、そしてオンプレミス型と呼ばれているサーバーを院内に置くかそれともクラウドと呼ばれるインターネット上の貸金庫のような場所にデーターを保存するかなどによってかなり変わってくるからです。
一応Googleにおよその目安となる透析施設用の電子カルテの価格が記載されてましたのでいかに引用させていただきます。
透析施設で電子カルテを導入する費用は、電子カルテのタイプや導入業者、システムの機能性などによって異なりますが、おおよその相場は次のとおりです。クラウド型:初期費用は約10万~数十万円、月額料金は1万円~数万円程度オンプレミス型:導入費用+月額(年額)の保守費用、導入費用のなかにサーバーやソフトウェアの設置費用も含まれるレセコン一体型:450万円前後まで相場があがるまた、電子カルテの更新費用には、システム自体の価格だけでなく、周辺機器や設置工事、データ移行にかかる費用も含まれます。シンプルなシステムであれば80万円程度から更新することが可能です。電子カルテの導入は、医療機関による運用効率や患者さまの利便性を考えるとメリットが大きく、政府は導入を推進しています。
しかし問題なのは、透析室だけ電子カルテ化してもあまり意味がないという点です。
透析専門クリニックでしたらそれでも良いと思いますが、病院と一体になっている場合には院内の電子カルテとの連携も踏まえた運用が必要不可欠となります。
例えば透析患者さんは月に1回心胸比という旨全体に対する心臓の大きさを測るためにレントゲン写真を撮りますがこうしたレントゲン写真も病院全体の電子カルテと連携していないと透析室の電子カルテで見れません。
透析の患者さんの体調が悪くて併設する病棟に入院した際もその患者さんの今までの透析の記録や使用している薬剤や飲み薬などスムーズに電子カルテでは伝えられなくなってしまいます。
何より透析の担当医は中小の病院などでは特に透析の専門医というわけではなく、外来で押し寄せる患者さんに忙殺されていることも多く、必要な時に医師の指示を得ようと電話をしても「今は忙しい!」といわれ指示をもらえないことも多々あります。
そうした時に病棟や外来などの院内の電子カルテに連携しておけば、外来の医師に指示要請を出しておけばちょっと手がすいたときに指示を出してくれます。
能書きが多くなってしまいましたが結局いくらなの?という問いに対してはメーカー次第と言わざるを得ません。
しかしそれではタイトルで期待させといて申し訳ありませんので、透析室の電子カルテ単体での価格は冒頭で述べましたがそれでは病棟や外来などの院内の電子カルテはいくらなのか調べましたのが以下でございます。
電子カルテの導入費用は、システム形態やオプションなどによって異なりますが、おおよその相場は300万円前後です。レセコン一体型の場合は、費用相場は450万円前後まで上がることを頭に入れておきましょう。
電子カルテの導入費用には、次のような要素が影響します。システム形態、オプション、 レセコン一体型か否か。
システム形態には、インターネット上のサーバーにアクセスして情報を管理する「クラウド型」と、院内にサーバーを設置する「オンプレミス型」があります。クラウド型は初期費用と月額費用、オンプレミス型は初期費用と月額(年額)の保守費用が一般的です。
レセコン(レセプトコンピューター)とは、医療機関や調剤薬局などでレセプト(診療報酬明細書)を自動作成するシステムやソフトウェアのことです。
上記引用中の金額は導入時の金額のみでその他にも維持費として月数万円(安くて)とレセコンにも同額程度かかるとされています(安くて)。
その他にも何もしなくともサポート・メンテナンス費用もかかります。特に導入時などは電子カルテの複雑さのために院内のスタッフで使い方に精通している者がおらずということになるといざ、普段使っている機能とは違う機能を使おうとしたりしたときに誰もわかる人がいなくてそのたびにメーカーの人に来てもらって説明してもらうということも結構起こるのではないでしょうか。こうしたサポート費もバカになりません。
オンプレミス型の場合は5〜7年ごとにシステムの更新費用などもかかります。クラウド型の場合、数万円の月額使用料が必要です。
オンプレミス型とは電子カルテのデーターを入れておくためのパソコンの巨大版のサーバーと呼ばれる機器を院内において管理する方式のことで、クラウド型とは院内にサーバーにデーターを保存するのではなく、インターネット上にある巨大なパソコン(データーを預ける貸金庫のようなもの)に電子カルテのデータを預ける方式です。
サーバーと呼ばれる機器は高価なためサーバーを購入するよりももともとあるインターネット上の貸金庫であるクラウドに預けた方が導入コストが安いのですね。
ここまで記事を書いてきましたが、メーカーサイトが数多く価格を解説しており、メーカーサイトによっては導入費用がオンプレミスと方式で100万円と記載しているところもあり、メーカーによって千差万別です。
これを基に計算すると、導入費用450万円、運用に仮に10万円/月、レセコンに仮に10万円/月、システムの更新費用400万円(オンプレミスと型の場合)もしくはクラウド型の場合仮に10万円/月とすると、5年間運用したとしてオンプレミス型で約2千7百万円、クラウド型で約1千800万円かかります。年間にするとオンプレミス型5百40万円/年、クラウド型で3百6十万円/年です。
意外に安いと見ることもできますがこの金額は運用やレセコン、そして更新費用やクラウドの費用を最も安いであろう価格に設定しなおかつサポートと費用も全くかからないということを前提にして出した金額ですのでこれ以上いくことは十分に考えられます。
なにしろメーカー各社が正確な金額を提示していないのである意味言い値で売られる可能性は十分ありますしサポートだメンテナンスだと不要なサポートやメンテナンスを行われ本来は不要な金額を請求される可能性もあります。
このあたりは、目先の安さのみにとらわれずに多少初期投資は高くとも信頼のおけるメーカーを選んだ方が長い目で見た場合に無難かもしれません。