このエクセル透析管理マクロでできることは大きく分けて3つで

①患者さん情報の管理

②経過表の印刷

③処方箋の印刷

です。

患者さんの情報管理はお一人お一人の、注射薬や飲み薬、透析日などです。これらを含めた10項目以上の情報を管理することができます。

経過表と処方箋はまとめて印刷(一括印刷)と個別印刷があり、まとめて印刷は透析1クール分の1週間分の印刷ができます。対する個別印刷は患者さんおひとり分、1日分の印刷から行うことができます。

経過表

現在経過表は既製品になっておりますがゆくゆくは病院様がデザインをご自身でできるようにしていきたいと考えております。

自分の病院のものを元にしておりますが、インターネットでいろんな病院の経過表も見てそれらを総合してデザインいたしました。

項目としては必要最低限になりましたが、その分余白が増えたため病院様の必要な項目を追加するスペースは広く取れたと思います。

可変部分(氏名、年齢、性別や透析時間、ダイアライザーなど)はセル結合部分の結合された一番左上のセルを指定して表示を行っております。この位置を変更することで表示位置を変更した場合でも氏名などの可変部分の表示が可能です。

病院様によっては足りない点や使いずらい点があるかもしれませんが情報としては最低限必要な情報は掲載できるようにいたしました。

先ほども述べましたが将来的には病院様で自由なところのセルを結合していただきそこに何を表示するかということを病院様自身で行っていただけるようにしてまいりたいと構想を練っております。

処方箋

1枚の処方箋に掲載できる薬の数は11種類でそれが週3回透析がある患者さんでは週当たり3枚まで印刷可能です。

こちらの処方箋のデザインは自分の病院の処方箋と実際に自分がもらった処方箋2種類、計3種類の処方箋を元にして作りました。

3種類の処方箋を比較すると記載している内容は同じなのですがデザインがところどころ違っていましたのでそれらをミックスして作りました。

また、内1枚にはLINEなどでおなじみのQRコードが処方箋の下部に4個掲載されておりました。

調べるとこれらは薬局の読み取り機で読み取ると処方内容や処方医師、患者情報まで一瞬でパソコンに表示できるものらしいです。

今回はこれらQRコードは採用しておりません。

処方箋のサイズはA5判になっております。

普通書類などを印刷するときはA4判が主流ですのでA5判の用紙を印刷する場合プリンターの設定変更が必要になります。

それが手間だという場合には処方箋印刷専用のプリンターを使うというのもよろしいかもしれません。そうすれば、書類を印刷するときと処方箋を印刷するときでいちいち設定を変更しなくともすむかと存じます。

なぜか現在多くの病院で処方される処方箋の大きさはA5版です。薬局などで処方箋保管のための場所をとらなくていいのかもしれませんが、以前は処方箋もA4判でしたので時代を感じます。

紹介状(情報提供書)

患者さんを他院へ紹介する際の透析情報が記載された用紙を印刷していただけます。

患者さんの氏名、年齢、性別から始まり、ダイアライザーは何を使っていて透析時間は何時間、血液流量や穿刺場所、血液凝固阻止剤の種類や分量、エポジンやエスポーの有無とその量、感染症の有無そして担当医師のコメントなど一通り他院で透析を行う際に必要な情報を打ち出していただけます。

これらの情報は一度打ち込んで保存していただくとエクセルのシートに保存され2回目以降は保存された内容がそのまま使えますので大変楽に情報提供書を打ち出していただけます。

これらは自分の病院のものを参考にいたしました。

あとがき

現在は電子カルテが多くの透析施設でも導入され、エクセルで紙の経過表を印刷しなくともスタッフ各自がタブレットを持ち歩き、血圧、除水量などを記録する時代になりました。

処方箋に関しても同様でエクセルで処方を出す時代は終わり電子カルテで処方を出す時代になりました。

私がこのエクセル透析管理マクロを初めて作ったのが20年前になりますので、その当時に比べると電子カルテを製作販売する会社は増加の一途をたどり、Googleで透析と調べると無数の業者が透析管理システムを広告しております。

そんなときにいまだにこのようなエクセルで透析を管理しようとするのは時代錯誤も否めませんが、エクセルという多くのパソコンに標準ですでに入っていて導入コストが1万6千円程度でなおかつマクロという簡単でシンプルなプログラムで書かれているため、本1冊買ってきて、もしくはインターネットで調べて少し学習すれば貴院様の必要に応じたカスタマイズが容易に行えるという点で、まだ少しは需要があるのではないかと思っております。

まだまだこれからより便利に簡単に扱えるようにこのマクロを向上させていきたいと考えております。